【Design Idea】これから残るインバウンド向け宿泊施設
こんにちは。有限会社ウイテックのリノベーションデザイナー、玉城です。
先日、那覇市内にある宿泊施設のリノベーションについてご相談をいただきました。ご提案にあたり、改めて今のインバウンド向け宿泊施設のトレンドをリサーチしましたので、僕なりの視点でまとめてみたいと思います。
その前に現状
まずは現場の確認です。 もともとは那覇市内の分譲マンションとして販売されていたビルで、前のオーナー様が宿泊施設として家具を整え、現在のオーナー様に引き継がれて数年が経過した物件でした。
現在の間取りを拝見して、正直驚きました。 「ベッドルーム」と呼ぶにはあまりに狭く、無理やりベッドを詰め込んでいるため、出入り口の扉に干渉している。 「これ、消防検査や避難経路の確保は本当に大丈夫なのだろうか?」と、建築士としての危機感を感じるレベルでした。
残念ながら、今の民泊施設ではこうした「分譲マンションに目一杯人を押し込める」レイアウトが散見されます。しかし、こうした「詰め込み設計」が、これからの時代も選ばれ続けるでしょうか?
リノベーションポイント
今回の現状を踏まえ、僕は以下の6つのポイントを軸にデザインを組み立てました。
安全第一: ベッドを配置しても、避難経路を確実に確保する。
ゆとりの創出: 無理な詰め込みをやめ、ゲストがストレスなく動けるレイアウトに。
シームレスな空間: 和室を解体し、リビングとファミリーベッドルームを一体化。大人数でもワイワイ過ごせる大空間へ。
プライバシーの確保: 開放感は出しつつも、個別のベッドルームとしてもしっかり機能させる。
遊び心の注入: 2段ベッドや室内窓を設け、お子様連れでも楽しめる雰囲気を。
食の楽しみ: 家族全員でテーブルを囲める、広いダイニングスペース。
インバウンド向け宿泊施設のこれから
「インバウンド向け」という言葉が、いつの間にか「多少質が悪くても、寝られればOK」という安易な設計の免罪符になっていないでしょうか。
ぶっちゃけ言えば、今のインバウンド、特にアジアの主要都市から来るゲストの母国のホテルクオリティは、日本人が想像する以上に進化しています。 上海やバンコクの洗練された空間に慣れている彼らを、日本の「狭くて不便な箱」に押し込めるのは、沖縄の観光ブランドを自ら損なう行為です。
また、今のトレンドは「大家族の雑魚寝」ではなく、「4〜8名程度の家族ユニット」が主流です。ただ布団の数だけ用意するのではなく、彼らが一人の「ゲスト」としてリラックスして過ごせるデザインが必要です。
例えば、今回の例で言えば、リビングにつながったファミリーベッドルームとプライベードをしっかり確保したマスターベッドルームを用意するなどゲストが喜んでもらえるようなゆとりのあるレイアウトこそが、ウイテックとして一流リゾートで培ったホスピタリティの具現化だと僕は考えています。
まとめ
物理的な広さは変えられなくても、設計の工夫で「体験の質」は劇的に変えられます。
「インバウンドだから」と質を落とすのではなく、世界水準の視点で沖縄の宿を再定義する。そんな「10年後も選ばれ続けるリノベーション」を、これからも提案し続けたいと思います。
ウイテックではいつでもリノベーションのご相談を承っております。
ぜひお気軽にご参加ください。


